憂しと見し世ぞ今は恋しき

中学受験(検)塾の選び方

中学受験(受検)をする場合、多くの家庭が塾に通わせることと思います。
この時期(2月~3月)、毎日のように新聞の折り込みには塾のチラシが入ってきます。

実績・費用・立地・曜日・・・塾選びにはさまざまな要素がありますが、個々の塾についてのコメントではなく、大きく「塾のタイプ」から切り分けていきたいと思います。

筆者が首都圏在住なので、首都圏で展開している塾についての話になります。

塾の選び方 結論

先に結論言っちゃいますが、塾なんてその子次第だし教室(先生)次第なところです。
〇〇中に××名合格!ってのはスケールメリットなだけで、その合格の影には死屍累々なわけで、××名合格してるならうちの子も・・・ってうまくいくもんではないのは皆様ご承知の通りです。

SAPIXで成功する子もいれば、サピのやり方が合わなくってドロップアウトして塾ジプシーになる親子もいますし、宣伝してない小さな個人塾でも先生の熱意と本人のペースがかみ合えば御三家だって行けますしね。

僕の知る限りの情報(というか、個人的意見)をこれから書いていきますが、僕の記事も含めて宣伝や口コミを鵜呑みにせずに入試までその塾のやり方でやり通せるか、子供と家庭に合ったスタイルなのかきちんと考えて塾を選び、そして合格を勝ち取って欲しいと思います。

中学受験専業最大手塾

SAPIX、日能研、四谷大塚(直営)の3校ですね、要するに。
サピについては高校受験にも手を出してますがここに含めます。
この3校はまたそれぞれに方向性が違うのですが、まずはこの3校について特徴をまとめます。

SAPIX、日能研、四谷大塚を選ぶ利点

  1. 合格実績とそれを裏打ちする教材・カリキュラムなどの教務力が抜群に高い

    やはり中学受験専業最大手だけあって、教務力では他の追随を許しません。
    中小の塾にはない情報とノウハウの蓄積もあり、最難関校へ向けての特訓コースは高い合格実績を残します。
    親から見ても「今週は何をすればいいのか」みたいな疑問はあまり出ず、カリキュラムに乗れる子なら順調に学力が上がります。

  2. 校舎間での格差はあまりなく、どの校舎でも安心して任せられる

    システムがしっかりしているため、四谷なら四谷、サピならサピで校舎ごとの差というのはあまり出ません。
    大規模展開している総合塾ですと、かなり校舎ごとの差がでますのでこれも安心材料の一つです。

  3. 講師レベルがある程度の水準は確保され、下手な学生に当たることはない

    塾に説明に来る親がよく質問するのが、「学生バイトはいますか?」ということです。
    この質問をしてくる親は学生バイトのほうが教えるのが下手だと思っているのでしょうが、必ずしもそうでもなかったりします。

    ぶっちゃけ言ってしまうと、「塾の非常勤講師」を生業としている人間の中には教員のなりそこないや一般企業のドロップアウト組の社会不適合者が多数混ざっていますw
    学力や知識、経験はあってもコミュ力に欠けた専任講師よりは、リア充な大学生のほうがよほどいい授業をしてくれます。

    が、それはともかくとして、この3校ではクラス授業は校舎の教科専任社員と社会人講師が担当することが一般的で、学生講師は担任助手という肩書きで一部授業に入ることが多いはずです。
    小規模塾よりは研修がシステム化されているので学生だからといってそう下手な講師はいないと思っていいでしょう。

  4. 高いレベルでの競争を繰り返すことで実力をつけられる

    この3校の最大の特徴はここですね。
    上位クラスに入れれば周りの子たちも優秀な子ばかりでより授業レベルが上がりさらに成績が上がる、という定期的なクラス分けテストをモチベーションに学習サイクルを作っていける子なら、きっと合います。

  5. 基本的にターミナル駅前にあり、校舎の環境もよい

    やっぱり教室も綺麗です。
    駅前といってもいろいろありますが、この3校はほとんどが明るく人通りの多い好環境にあるはずです。

    家賃クッソ高いだろうなとおもいますが、さすがの大手です。
    ここが中小のチェーンだと同じ駅前でも薄暗い裏通りだったりしますからね。
    入り口には警備員もいて、変な雑居ビルの外階段を上る、なんて場所はまずありません。

というところでしょうか。

SAPIX、日能研、四谷大塚の欠点

  1. 一つの校舎に多くの生徒がいて頻繁にクラス替えがあるため、講師から1人1人へのフォローは期待できない特に中堅校志望者

    だいたい1クラス15人前後ですが、人気の教室だと20人を越えるクラスもあります。
    その中で2ヶ月程度で生徒・講師の入れ替えが起こるため目立たない子は講師に名前すら覚えてもらえません。よく「クラスの肥やし」と呼ばれるポジションになります。

    最難関校へ入れるためのツールとして割り切って考えられる親ならいいのですが、「うちの子を見てほしい」という考えの親は不満に感じることが多いでしょう。
    それで担任にリクエストしても追加料金を払っての個別部門を紹介されるか、クレーマー扱いされるのが関の山です。

  2. カリキュラムがしっかりしている反面、個々のレベル差や弱点、「抜け」への対応が薄い

    上とも共通しますが、1人1人のことは見ていません。
    校舎全体で何人合格させるかが大手塾の考え方です。
    カリキュラムに乗れるよう努力するのは子供と家庭の責任ですので、宿題がわからないとか学校行事で休んだとか、カリキュラムに対して「抜け」が出た場合、塾以外の何かに頼る必要がでてきます。
    家で親が見られる状況ならよいのですが、時間的にあるいは能力的に見てあげられない場合、最終盤でどんどん成績が落ちていきます
    ここで出てくるのが大手塾成績不振者対応をうたった個別指導塾とプロ家庭教師、ということですね。

  3. クラス・席次の争いが負担になりやすく、クラス次第では残念な講師に当たることも

    競争がプレッシャーになる子はこのスタイルでは伸びません
    あと、生徒や父母の評価が高い講師から上位クラスに配置することが多いので、下から2番目のクラスなんかはその校舎で一番人気のないコミュ障講師に当たったりします。
    一番下はまた実力のある専任がやることが多いんですがw

  4. 公立一貫校志望者は相手にされていない

    都内ですと、2/1、2/2と私立を受験して2/3に都立一貫校を受けたい、という考えの家庭は一定数あります。
    が、この都立一貫校受検ってやつは高倍率な上に模試のデータから合否が読めないので中学受験専門の塾はあまり手を出してきません。
    受けるんだったら勝手にどうぞ、という感じですね。

    そこの隙間を狙って勢力を伸ばした自称「公立一貫に強い塾」がいくつかありますが、どこも数で勝負して合格率はお察しな感じです。
    ということで、この大手3校から一貫校を併願する場合、作文添削や適性検査対策は別途行う必要が出てきます。
    もっとも、能力の高い子だと対策ほとんどしなくても受かっちゃうんですよね、公立一貫校は。

  5. 近所にない場合、通塾(送り迎え)の負担

    実績やシステムから、ここを選びたかったとしても、どこにでも校舎があるわけではありません。
    近隣ターミナル駅まで通学する必要が出てきます。
    雨の日でも、台風でも、雪の日でも。
    さらに志望校別特訓授業など、もっと遠方の校舎へ行かされることも出てきます。
    送り迎えなしで夜の帰宅が大丈夫な地域はよいですが・・・

SAPIX、日能研、四谷大塚でうまく行く子・家庭

上記のような特徴を踏まえると、この3校でうまくいくのは

  1. 競争がモチベーションにつながる子
  2. 与えられた課題を自力ですべてこなせる子、もしくはサポートできる家庭の体制がある子

ですね。
とはいえ、カリキュラムになんとか食らいついていける、ついて行かせるサポートが家庭でできる子であればこの大手3校なら大失敗しないのも事実です。
そういう意味では無難かもしれません。

実のところ、この3校でも日能研とSAPIXではまたずいぶん差が出るのですが、その話はまた別で。

大規模展開総合塾

早稲田アカデミー、市進学院、臨海セミナー、スクール21、ena、栄光あたりの中学受験・高校受験・大学受験全部やりますよ!っていうチェーンですね。
このタイプは校舎数が多いので、必ずどれか一校は家の近くにあるかと思います。

ここで早稲田アカデミーについては、かなり特色のある塾なので一緒くたにできないのですが、こういった大規模展開総合塾全体について特色を書いていきます。

総合塾は校舎ごとの格差が大きい

このタイプの塾は校舎ごとの専任校舎長の裁量で動部分が大きいため同じ系列の塾でも校舎によって大きく異なります。
なので必ず見学と無料体験をし、その際に教室での受験生対応について確認しておきましょう。

この業界で専任校舎長を務めている人の多くは講師を兼任、専任事務職を置く栄光なんかも講師上がりが多くいます。
そして講師はだいたいある特定の受験のスペシャリストで、得意分野以外は面倒くさがる人が多いです。
中受畑の講師が室長、ないしは常勤でいる校舎ならよいですが、高受畑や大受畑の校舎長の指揮下にある教室では小学生は邪魔くさがられます

また、校舎数が多いということはそれだけ学生バイトが多くなるわけで、どんなバイト講師が入るかは見てみないと分かりません。
中学受験未経験でも理系だからって理由で算数教えさせられたり、文系っていう理由だけで社会の授業に入る講師が山ほどいます。

教室も駅前の綺麗めなテナントビルから、裏通りの雑居ビルまでさまざまです。
どこの駅前にもある、ということはあまり治安の良くない駅前にもあるわけでして。

授業料は一番抑えられる

このタイプは大手チェーンの強みを活かして授業料は抑えめに設定されています。
校舎長の裁量次第では無料補習や質問対応などサービスが地域塾・個人塾並みになることもあれば、最大手ばりに「2日前までに質問主意書を提出」なんてやってる校舎もあります。

結局は校舎次第ってことになりますが、うまくはまると強いのがこのタイプですね。
全校実績でなく校舎ごとの実績や指導講師についてよく確認しておきましょう。

危険な?校舎

このタイプの塾では大手だから安心、というわけにはいかず失敗するととことん大失敗します。
受験クラス担当が教室常駐でなく巡回で来る校舎長が受験クラスを持たない、なんて教室は要注意です。
アルバイトが予習シリーズと解答を読み上げるだけの指導が半年間続いたり、難関校狙いではなく、首都圏模試しか受けさせ(られ?)ない指導をしていたり。

そもそも、総合塾としては私立中に合格させるよりも公立中コースに流して中3まで在籍させた方が儲かりますからね。
どこぞの塾がやってる「都立中高一貫校受検・日比谷高校受験準備コース」とかすごい発想ですよね。

地域塾・個人塾

校舎数3~20前後の地域密着型でやってる塾や、一校舎だけでそこそこの規模を持っている塾、完全に個人でやっている塾などさまざまです。

塾自体の当たり外れもありますし、その中でさらに教室ごと、先生ごとの当たり外れは大きいので評判や体験授業などを見極めないといけませんが、当たりを引けば小回りがきいて面倒見はよいのがこのタイプです。
無料補習や自習環境謳ってるとこならば、一人一人の学力や受験校を先生達が熟知して大手では肥やしにされちゃう子でも宣伝効果のないミドルレンジの学校であっても対策プリント作ってくれたり個別に弱点補強をしてくれたりします。

とはいえ、そんな都合のいい塾が近くにあるか、そしてこの手の塾はアクの強い指導方針を持っていることが多いので、その塾の指導が子供に合うかどうかも重要です。

個別指導・家庭教師型