社会科って、塾で習う必要ある?
一般的な中学受験塾での社会科の授業は、テキストの精読→一問一答や穴埋めでの知識確認→演習問題のサイクルとなっています。
子供たちの興味を引き関心を持たせる、話のうまい先生ならテキストの精読も役に立つのでしょうが、つまらない先生に当たると、ひたすらテキスト読んでマーカー引いてメモとって・・・。
まあ、「社会科が好き」な先生が話をするので面白いことが多いのですが、たまに文系だけど社会苦手で、突っ込まれた質問されると答えられない先生なんかもいたりします。
演習問題の解説も結局は知識の確認ですから、自分の正解した問題の解説を長々と聞かされても退屈します。
途中どういう過程を踏んでも、結局は本人が「覚える」しかないのが社会科ですので、ある程度テキストが読みこなせて反復演習が家庭でできるなら、塾でやる必要はありません。
自宅で自分のペースでやるほうが社会科の学習効率は上がります。
とはいえ、テキストには子供が初見で理解できない言葉も出てきますから、親が説明することができないならば塾に任せるしかありません。
ですので、ここでは通塾生、塾なし受験生双方に有効な地理の教材を紹介したいと思います。
塾なしでも大丈夫! 地理のメイン教材+地図帳
受験勉強開始前から利用可能な教材
地理が苦手な子の多くは単元ごとの知識、都道府県ごとの知識、地図上の位置関係、この3つが結びついていません。
例えば、「石油化学工場は資源の輸入のために海沿い」って知識と「水島地区にコンビナート」って知識と、「地図上の倉敷市の位置」、これらが全て別々の暗記事項として認識されているんです。
それぞれが別の次元に存在しちゃってるんですね。
地理が得意な子は、こんなのは1枚の日本地図上の知識としてひとまとめになっています。
そこで、地理が苦手な子には、まず日本地図上でどこに何があるかのイメージからスタートします。
おすすめはナツメ社の「オールカラー 楽しく覚える! 都道府県」です。
内容的にはマンガも多く、小2くらいから十分読めるもののわりに、情報量も基礎レベルとしては十分なもので、低学年次からこれ一冊読み込んでおけばかなり楽になるはずです。
低学年次から、ということであればSAPIXの「都道府県地理カード」もいいでしょう。
都道府県すごろくなんかもあって、家族で遊びながら地理に強くなれます。
あとは、森高千里(ミニモニ。でもいいですが・・・)の「ロックンロール県庁所在地」とか聞かせておくのもいいですね。
単元別のメイン教材+副読本
まずは全体像をつかむための教材として、塾に通っている場合は塾教材を利用しましょう。
ただ、通っている塾のメインテキストが「新小学問題集」の場合や塾に通っていない場合には、四谷大塚の「予習シリーズ小5上」を購入するのがよいでしょう。
毎年データも更新されていますので、古本やお下がりでなく新品を買ってあげてください。
全ページカラーで図表・写真も多く、読み物としても優れています。
予習シリーズは読みやすいとはいっても、やはりテキストとしての語り口なので子供によっては今ひとつ頭に入ってこないのも事実です。
そこで予習シリーズに加えて、副読本として読みやすい教材を入れておきましょう。おすすめは学研の「中学入試まんが攻略BON!」の地理ですね。
漫画のノリとしてはコロコロコミックに近く、じっくり読むというより、ちょっと暇なときにパラパラとめくる感じでつねに知識の再確認ができます。
中学受験には知識量としては不十分ですが、重要語句の解説や豆知識は読みやすいので漫画で読みかじった知識を予習シリーズで補完していくとうまくいくでしょう。
地図帳はシンプルなものを
で、本格的な学習に入るときの地図帳ですが、中学受験向けに作られた地図帳の多くは解説や付帯情報が非常に多く、それだけで地理の学習ができるように作られています。
ですが、ここではテキストを主にして地形図を見るために活用するものなので、あまり文字情報が多くても欲しい情報を探すのに時間がかかってしまいますし、読み飽きます。
小学校で使用の帝国書院地図か、メイン教材に予習シリーズを使用しているなら四谷大塚の「考える社会科地図」でいいでしょう。
もしその他の地図帳で一冊買い与えるなら永岡書店の「見て、学んで、力がつく! こども日本地図」がイラスト・写真が多く使いやすいと思います。。
学習時は「マーカー引き」より白地図に
「大事そうなところにマーカー」はダメ
精読のさい、読むときに多くの塾でやっている「大事そうなところにマーカーを引く」は必要ありません。
マーカーする必要があるのは「演習時に覚えていなかったところ」です。
読み返したときにどうしてもマーカー箇所に目が行きがちなのですが、「大事そうなところ」の大半はたいがい覚えていて無駄な時間を使います。
マーカーは演習時に、自分が見落としていた、記憶が定着していない場所をチェックするために使います。
ポイントは白地図まとめ
「読む」作業だけでは記憶の定着にはつながりにくいですので、必ず「書く」作業と並行して行いましょう。
ですが、ただノートに書くのではなく、地理の学習で使うべきは「白地図」です。
出てきた地名と付帯情報、どんどん白地図に書き込んでいきます。
このとき市販の「白地図ノート」を使うのではなく、紙に印刷したものを使ってください。
一回の学習で数枚書き殴るつもりでたくさん用意しておきましょう。
書いた後はゴミにしていいのですが、最後に一枚きれいな白地図まとめを作って食卓や机の前、あるいはトイレの壁などに貼っておくと効果的です。
自分が手を動かしてまとめた記憶を再確認することで、記憶の定着がすすみます。
白地図についてはちょっとググればフリーの白地図サイトが山ほど出てきますので、買う必要はないでしょう。
塾なしでも大丈夫!地理の演習教材
一問一答でアウトプット演習
テキストでのインプットを済ませたら、一問一答型でのアウトプット演習に入ります。
塾テキストの中にはテキストの長文を穴埋めにするサブノート形式を取っているものが多い(予習シリーズ対応の演習問題集がそうですね)ですが、サブノート形式は文脈としての整合性を保つために質問箇所が的確でないこともあるため、使うなら塾の授業前にテキストを予習で読みながら完成させるほうがよいでしょう。
アウトプット演習には一問一答型のほうがおすすめです。
地理で一番おすすめなのはSAPIXの「コアプラス」です。
コアプラスの使い方
このコアプラスで大事なのは一問一答で知識を確認→覚えていない部分をテキストに戻って復習というサイクルを作り上げることです。
間違えてやりっぱなしではなく、必ずテキストの該当部分にマーカーを入れましょう。
太く塗りつぶすのではなく、細めのマーカーで軽くラインを入れるだけで十分です。
1回目、2回目、3回目と色を変えてラインしていくと後で読み返すときに非常に参考になります。
また、コアプラスの問題には通し番号が振ってありますので、間違えた問題については番号の横にチェックを振るとか、付箋を貼って番号を書いておくとかして、翌週までにもう一度復習しましょう。
多少手間はかかりますが、スキャンして間違えた問題だけデータ化して抜粋すると非常に便利です。
スマホやタブレットを使っているなら、写真撮ってフォルダ化しておくだけで問題集が作れます。
実戦型・地理の演習教材
塾に通っている場合には塾テキストの演習教材があるでしょうからそれで十分です。
塾に通っていない場合には小5のうちはコアプラスだけでも十分ですが、もし余力があるなら知識事項を実際の問題の中で演習していきましょう。
みくに出版(日能研)のウイニングステップ小5が内容的にはおすすめですが、これちょっと古いんですよね。
最新のデータを重視するなら四谷の週例テスト過去問が一番ですね。
まとめ
ということで、いろいろ教材を紹介してきましたが、子供のタイプや時期によって最適な学習法も変わってきます。
ここで紹介した教材は小5前期~小6前期での使用を想定していますので、最終盤にはまた違った教材が必要になるでしょう。
ご質問・ご相談などありましたらお気軽にご連絡ください。
次は歴史のおすすめ教材をまとめます。