思い返せば・・・
思えば小学生の頃、僕が歴史に興味を持ったきっかけの一つは、NHKの大河ドラマ「徳川家康」でした。
滝田栄版ですね。
自分としては翌日学校で話題となる裏番組の「西部警察」ないしはプロ野球ナイターのほうが見たかったものですが、当時はテレビは一家に一台の時代。
チャンネル権は子供にはありませんでした。
しぶしぶながら見始めた「徳川家康」でしたが、成田三樹男の今川義元の格好良さにはまったのも束の間、あっという間に桶狭間で役所広司の信長に心奪われ・・・気がついたら、親よりもはまって見ていました。
その翌年の「山河燃ゆ」は太平洋戦争と東京裁判を日系二世役の松本幸四郎(今の白鸚)と沢田研二の視点から映し出すフィクションでした。
小学生の自分には少し難しかった記憶もありますが、「歴史を知りたい」という気持ちが勝って毎週欠かさず見ていたものです。
ところが、その後の「春の波濤」「いのち」は全く記憶にありません。(という同年代の人も多いと思いますが・・・)
「歴史」が見たかったんですね。
とはいえ、その頃(小学校6年でした)にはもう図書館で司馬遼太郎や吉川英治を借りてくる歴オタに。
おかげで「歴史の勉強」なるものは一切しませんでした。趣味になってましたからw
その翌年には名作「独眼竜政宗」が始まり、「信長の野望全国版」が発売され、現在に至ります。
子供に無理に見せなくても、お茶の間に大河ドラマが流れていることは少なくとも子供に「歴史に興味を持つきっかけ」を一つ与えるでしょう。
子供と歴史トークする機会が作れるだけでもずいぶん違うと思います。
僕みたいにそこから歴史に興味を持つかどうかはわかりませんが。
今年はいろいろ評判の低い「いだてん」ですが・・・オリンピック関連の問題は多数入試で出るでしょうが、金栗四三やらフジヤマのトビウオやらは・・・まだ前畑さんのほうが出そうですね。
でも、戦後編入るとオリンピック招致の背景で、高度経済成長が描かれるでしょうから、そこなんか入試の頻出ポイントなりますね。
去年の大河「西郷どん」なんかも見ていれば面倒な明治維新まわりの理解が深まったでしょう。
・・・とはいえ、幕末物なら「翔ぶが如く」の方が、と思うのは年寄り特有の「昔は良かった」ってやつでしょうかね。
ということで、各時代の理解を深める?テスト対策向けなドラマについて紹介したいと思います。
奈良時代のドラマ
そもそもこの時代のドラマは数えるほどしかないのですが、おもしろいものに「大仏開眼」というドラマがあります。
大河ではなく、平城京遷都1300年で作られたスペシャルドラマです。
聖武天皇と光明皇后、吉備真備と恵美押勝(藤原仲麻呂)、安倍内親王(のちの称徳天皇)なんかがメインキャストで、吉備真備は吉岡秀隆、安倍内親王が石原さとみでした。
奈良時代中期、なぜ聖武天皇は大仏建立を推し進めたのか、テキストを読んでいると「混乱する世の中を仏教の力で治めるため」とかいう微妙な表現で書かれていますが、ドラマを見ているとその背景が見えてきます。
そしていきなり出てくる「行基が大仏造営に協力」っていう文章。
行基っていったい何者なの?と誰もが思うところですが、実を言うとドラマを見てもやっぱり何者だかよくわからないw
平安時代のドラマ
まずは大河ドラマ史上、最高傑作の1つといっていいでしょう、「風と雲と虹と」。
承平・天慶の乱が舞台です。
すなわち、平将門(加藤剛)と藤原純友(緒形拳)が主役です。
・・・この時点であまりテストには出ませんがね。
映像もビデオテープからの復元で劣化したものですし、今の大河のような軽さは全くありませんが、平安中期の混乱する社会と武士の台頭を主演の加藤剛と緒形拳が暑苦しさ満点に描くさまは、観るものを必ず引き込みます。
そしてヒロインは吉永小百合。めっちゃ豪華です。
田原藤太(藤原秀郷)の「黙れ小童!」は真田丸でオマージュされていましたね。
テストによく出るのは、やはり平氏政権~鎌倉幕府の成立ですね。
まず、平家に焦点を当てた大河としては、低視聴率が話題となった「平清盛」。
鎌倉幕府成立後の視点から見ると、どうしても貴族化した平家のイメージが強くなりますが、このドラマは清盛が瀬戸内の海賊から成り上がっていく様を描いていきます。
大輪田泊や厳島神社といった、この単元の頻出事項も取り上げられていますね。
鎌倉時代のドラマ
「草燃える」は頼朝の挙兵から承久の乱までを北条政子視点で描いたドラマです。
といっても、平家滅亡までの一ノ谷~屋島~壇ノ浦の主役は源義経(国広富之)ですし、源頼朝(石坂浩二)は鎌倉でウダウダ言ってるだけです。
でも滝沢秀明の義経より、鎌倉と後白河の対立なんか丁寧に描かれてていいですよ。
源氏の嫡流が絶え北条氏の権力が強まる過程は、ドラマではほとんど北条義時(松平健)の手腕によるものとされています。
最初さわやかだった松平健がどんどん暗黒面に落ちていく様が中盤の見所です。
最後の最後まで北条政子(岩下志麻!)は完全に萱の外ですw
ですが、最終回の承久の乱で有名な「尼将軍の演説」、ここの迫力はさすがの志麻姐さんですね。
その後の鎌倉時代といえば、イベントらしいイベントといえば元寇くらいのもんです。
「北条時宗」は空中元彌チョップでおなじみの和泉元彌が主演でしたが、元寇のあたりより北条宗家のドロドロ人間ドラマが主体で、あまり面白くないですね。
室町時代のドラマ
まずは真田広之の「太平記」ですね。
前半の六波羅攻略と新田義貞による鎌倉陥落までは盛り上がりに欠けます。
何がいけないって楠木正成が武田鉄矢。
おかげで途中で切っちゃった人も多いんじゃないかと。
が、後半に入って建武の新政崩壊から観応の擾乱、ここはこのドラマ以上にわかりやすく見せてくれるものはありませんね。
実際、僕も観応の擾乱の説明しろって言われたらこのドラマ思い出すしかない。
人間関係の複雑さは応仁の乱以上?な中にあって後藤久美子演じる北畠顕家が一服の清涼剤ですね。
そして最近ブーム?の応仁の乱、といえば三田佳子が日野富子を演じた「花の乱」。
映像が全体的に暗いし幽霊出てくるし、視聴率が低かったことで有名な作品ですね。
室町幕府と言えば「将軍権力は弱く三官四職が政治を担った」なんてテキストに書かれていますが、まあ確かに細川勝元(野村萬斎)と山名宗全(萬屋錦之介!)はアクが強かったw
いや、足利義政も市川海老蔵(新之助)→市川團十郎っていう豪華キャストなんですが、市川家特有の女形くささがヨロキン山名宗全に勝てない感じを醸し出します。
山城の「国一揆」ってどういうこと?というのもこのドラマでつかめるかと思います。
安土桃山(戦国)時代のドラマ
言うまでもなく一番大河ドラマで取り上げられている時代ですが、信長・秀吉・家康の三英傑で一番テストに出るのは織田信長の事績ですから、一本取り上げるとしたら緒形直人の「信長KING OF ZIPANG」がいいでしょう。
安土城のインパクトや比叡山焼き討ちの背景など、見応え十分です。
来年の大河は明智光秀を軸に三英傑を描くようですので、これも必見でしょう。
「徳川家康」「秀吉」「武田信玄」「毛利元就」、戦国時代の大河は数あれど、面白さからいったら断然「独眼竜政宗」です。
まあ、政宗の事績はテストに出ませんが。
とにかく、勝新の秀吉は必見ですね。
僕の中では小十郎景綱のイメージはこの西郷輝彦なので、昨今のイケメン化された小十郎には違和感を感じております。
江戸時代のドラマ
江戸時代開幕~大阪冬の陣・夏の陣における豊臣氏滅亡までを描くとしたら、「利家とまつ」「功名が辻」「春日局」「真田太平記」どれも佳作でありますが、政治ドラマとしてはやはり「葵 徳川三代」ですね。
さらに江戸時代中期・・・となると、そもそもあまり入試に出なくなりますね。
「八代将軍吉宗」、「元禄繚乱」「峠の群像」(忠臣蔵)、「黄金の日々」(呂宋助左右衛門)あたりが該当します。
明治維新期のドラマ
「新撰組!」「徳川慶喜」「西郷どん」、戦国期と並んでたくさんのドラマがありますね。
黒船来航、安政の五カ国条約、桜田門外の変、そして薩長同盟、戊辰戦争と明治維新。
テストに出るテーマがたくさん並びます。
この時代のドラマで一番は「火神」、僕が一番好きな作品ですね。
主人公はテストに出ない大村益次郎、ですが禁門の変~下関戦争~薩長同盟~戊辰戦争と一番丁寧に描いているのはこれでしょう。
長州が攘夷から倒幕に舵を切り、仲の悪かった薩摩と薩長同盟を結ぶ過程は理解しがたいですからね。
龍馬視点だとなんか龍馬が日本の未来のために説き伏せたみたいな展開になっちゃいますが、もっと長州は腹黒いだろうし薩摩は何も考えてないだろうし。
何より中村雅俊の高杉晋作が格好いい!
明治に入ってからの歴史ですと、西郷隆盛(西田敏行)と大久保利通(鹿賀丈史)が主役の「翔ぶが如く」か、架空の会津藩士と薩摩藩士を主人公に、秩父事件や自由民権運動までを描いた「獅子の時代」が面白いです。
主演は菅原文太と加藤剛。大久保利通役には鶴田浩二。オープニングテーマ曲は宇崎竜童。
はい、男臭くてたまりません。
まだまだ語りたりないですが、詳しくはビデオでご覧くださいね。