生物は「嫌悪感」を持ったらダメ
理科の中でも生物単元は植物・昆虫・メダカ・セキツイ動物・人体など、「暗記」にシフトした部分が多いように見える単元です。
ということで、苦手な子には理解を深めるために図鑑を・・・なんて話もありますが、低学年期ならともかく高学年になって生物の苦手な子の多くは、生物が「キモい」のです。
そんな子にリアルな写真や画像を見せても逆効果です。
生物が苦手な場合、できるだけ「キモい」部分に触れない学習のほうが良いでしょう。
そこで利用してほしいのが、「ドラえもん科学ワールド」のシリーズです。
中学年向けのドラえもん学習まんがシリーズと収録されているエピソードは共通なものが多いですが、理科の資料・解説部分の割合が他のまんが教材より大きいのがこのシリーズの特徴です。
このシリーズは、生物単元だけでなく理科の各単元で出版されています。
低学年期なら読んで終わりでもじゅうぶん役立ちますし、受験に向けてはこれで読みかじった知識をテキストで確認する、というのが有効でしょう。
生物の暗記は覚えることを限定して!
生物単元には確かに光合成のしくみや消化の経路など、覚えておかないといけないことは多々あります。
ここで勘違いしてはいけないのが、覚えるべきは「しくみ」「分類」であって名称ではない、ということです。
たとえば「季節と生物」では大量の植物の名前が出てきます。
「オオイヌノフグリ」なんてたしかにそのへんに生えてますが、理科の学習以外で気にすることのない植物の代表みたいなもんですね。
で、理科の苦手な子(もしくはアルバイト講師)なんかは必死に「春の花があれとこれと・・・」「帰化植物がこれとそれで・・・」なんて覚え始めます。
この花はなんですか?なんて問題はまず入試に出ませんし、そもそも植物名自体を問う問題がほとんど出ない(正式名称と通称名があったり、品種分類がシビアになったりして出題ミスの可能性が高まるからです)のにもかかわらず、です。
ぶっちゃけていえば花なんて春に咲くのが普通です。だからこそ夏に咲く花や秋の花、冬の花を覚えればいいわけです。
春撒きの一年草が夏に咲くのは当たり前、とか考えればどんどん覚えることは減っていきます。
帰化植物なんてのは白詰草だの春紫苑だの和名がついてるのに、外来だから意味があるってことなんです。
昆虫の話でいえば、トンボ・セミ・バッタコオロギカマキリ類が不完全変態なのを覚えればいいだけなのに、いちいち「カブトムシは完全変態」「モンシロチョウは完全変態」なんて覚えようとするからテストで「アカイエカってどっちだ・・・?」なんて悩むことになるんです。
いや、不完全変態は他にもいくらでもいます。カメムシだのシロアリだの。無変態なんてやつもいますし。
でも、どうせテストに出ないから覚える必要もないんですね。たとえ出たとしても周囲の受験生も知りませんから気にすることないですし。
ただ、これについてはテキストで「○○だけ」みたいな書き方ができないから仕方がないんですよね。
何がテストに出るのか(出ないのか)見極めて覚えさせるのは受験指導のベテランにしかできないことなので。
良かったら僕の理科の解説ページも参考にしてくださいね。
https://haruyou-blog.com/2019/02/14/post-326/
演習は過去問+まとめ教材でOK
生物単元の演習については、過去問とまとめ系教材(メモリーチェック・出る順・コアプラなど)で十分です。
苦手(嫌い)でさえなければ、ある程度の点数が見込みやすい単元なので、早めに学習を進めて得意意識を持てるようになるとスムーズにいくでしょう。
あえてもう1冊、演習教材が欲しいという場合には学研の「中学入試の最重要問題」理科がいいでしょう。
演習のあとは、間違えた部分をテキストで確認、知識事項であれば暗記チェックノートを作成しておくことが重要です。