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算数文章題講座 食塩水の解き方 練習問題

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食塩水どうしを混ぜ合わせる

Haru_You
前回、食塩水の基本公式を説明したので、ここでは食塩水同士を混ぜ合わせる問題をやっていこう。

前回でやった「食塩の重さ」と「逆比」で解けばいいのかな?
はるか

https://haruyou-blog.com/2019/02/23/post-2659/

Haru_You
うん、その2つの考え方をここでも使うよ。

食塩水2種混合・混ぜた後の濃さを求める例題

8%の食塩水200gと14%の食塩水300gを混ぜてできる食塩水の濃さは何%ですか

できる食塩水は200+300=500gだよね。
あとは・・・8%+14%=22%、にはならないよね。
混ぜてできる食塩水の濃さはきっと、8%と14%の間だよねえ。
はるか

Haru_You
濃さどうしは絶対たしちゃだめだよ。
濃さを求める式は食塩の重さ÷食塩水全体の重さだから、食塩の重さに注目して式を立てていこう。

でも、できた食塩水の濃さがわからないから計算しようがないけど・・・。
はるか

Haru_You
食塩の重さは、混ぜる前のものに注目するんだよ。
もともとあった2つの食塩水に含まれていた食塩は計算できるじゃん?
食塩水を混ぜるときは、混ぜた2つの食塩水に含まれていた食塩の合計が、できた食塩水の食塩になるよ。

食塩水2種混合・濃さを求める例題の解き方

食塩の重さを求めてから濃さを求める、というのは水で薄めるときと同じだね。
はるか

Haru_You
これを公式化すると、(Aの重さ×濃さ+Bの重さ×濃さ)÷(A+Bの重さ)という形の式にできるんだけど、公式として覚えると応用が利かないから詳しくは言わないよ。
ところで、この解答の11.6%って濃さの意味なんだけど。
もし、8%の食塩水と14%の食塩水を同じ重さだけ混ぜた場合、濃さはどうなると思う?

半分ずつならちょうど中間の濃さになるのかな。
だったら、(8+14)÷2=11%じゃない?
はるか

Haru_You
それで正解。
だけど今回、混ぜた濃さが中間より濃い、11.6%になったのはなぜだと思う?

えーと、濃いほうの14%の食塩水が多いから、ちょうど中間よりちょっと濃くなったってことかな。
あ、ということは重さの比から濃さがわかるのかな?
はるか

Haru_You
うん、その考え方が受験算数の食塩水問題の解法、てんびん図になるんだ。
今の問題をもう一度、てんびん図で解いてみるよ。

濃さを求める例題・てんびん図による解き方

食塩水の濃さがてんびんのうでの長さになって、食塩水の重さがおもりの重さになるんだね。
はるか

Haru_You
この図で、腕の長さ=濃さの差を、重さの逆比で比例配分すると、支点の位置=混ぜた後の濃さがわかるんだよ。
てんびん図のキーワードは、「重さと腕の長さが逆比」だから覚えておいてね。

こっちのほうが計算は楽だし、覚えたほうがいいのかな?
はるか

Haru_You
計算で求める解き方もできないといけないけど、問題によってはてんびん図で逆比をとらないと解けないものもあるからね。
どちらもできるように、1つの問題で2回練習するようにしておくといいよ。

食塩水2種混合・もとの濃さを求める例題

5%の食塩水200gに、ある濃さの食塩水を300g加えると、濃さが11%になりました。加えた食塩水の濃さは何%ですか

これも2つの食塩水を混ぜる問題か。
食塩の重さの計算とてんびん図、どっちの解き方でも解けるの?
はるか

Haru_You
うん、どっちでも解けるよ。
食塩の重さを求めるばあい、最後にできた食塩水が11%・500gになっているところに注目してね。

もとの濃さを求める例題の解き方

てんびん図の使い方がさっきとちょっと違うね。
比例配分するんじゃなくて、重さの逆比で求めた③あたりがそのまま6%になってる。
はるか

Haru_You
てんびん図では、図の中で数字がわかるところを書き込んでいくと、かならず求めたいものが見えてくるからね。
考えるより先に図にする癖をつけるといいよ。

食塩水2種混合・混ぜた重さを求める例題

3%の食塩水と12%の食塩水を混ぜて8%の食塩水360gをつくるとき、それぞれの食塩水を何gずつ混ぜればよいですか

また混ぜる問題、今度は重さを求めればいいのね。
これも同じようにやればいいんでしょ?
はるか

Haru_You
条件をよく読んでみな。
もとの食塩の重さも、混ぜた食塩の重さも計算できないでしょ。

ほんとだ。
もとのもまぜるのも両方とも全体の重さがわかってないから、食塩の重さも計算できないね。
はるか

Haru_You
うん、混ぜた2つの食塩水のそれぞれの重さを求める問題では、食塩の重さ以外の手段を使わないと解けない、ということだね。

てんびん図以外の手段もあるの?
はるか

Haru_You
図を書かずに逆比を出したり、面積図やつるかめ算、消去算を使ったりしても解くことはできるんだ。
けど、食塩水を混ぜる、という一点に絞ったテクニックとしてはてんびん図が一番使いやすいからね。

混ぜた重さを求める例題の解き方

うでの長さの逆比を重さの比にして、できた食塩水の重さを比例配分して求めればいいってことね。
はるか

Haru_You
そうだね。
ほかにもいろんなパターンが考えられるけど、食塩水を混ぜる問題で、情報が少なくて計算できないときはまずてんびん図で考えることを覚えておいてね。

食塩水に食塩を加える例題

12%の食塩水200gに食塩を加えて20%の食塩水にするには、何gの食塩を加えればよいですか

食塩の重さを求める問題か。
だったら、まぜたあとの全体の重さ×濃さ20%で求められるよね。
はるか

Haru_You
そういきたいところだけど、食塩を加える重さを求める問題では、食塩の重さに注目した計算ができないんだ。
だって、できた20%の食塩水が何gになってるかわからないからね。

そっか。
水を加えるときは食塩の重さが変わらないから、はじめの食塩の重さを求めてから第3用法で全体の重さにしたけど、この場合それもできないんだね。
じゃあ、てんびん図書けばいいのかな?
はるか

Haru_You
てんびん図を使って解いてもいいけど、計算で解く方法も説明しようか。

食塩水に食塩を加える例題の解き方

水の量が変わらないから水の重さに注目したんだね。
はるか

Haru_You
うん、食塩を加える問題は水の重さに注目すればいいんだ。
このとき、「水の濃さ」から全体の量を求める第3用法を使うのも覚えておいてね。

てんびん図を使う場合、食塩のことは「100%の食塩水」と考えるんだね。
水を混ぜる問題のときもてんびん図でできる?
はるか

Haru_You
うん、水のことは「0%の食塩水」と考えると、てんびん図にできるよ。
だけど、水を加えるときは食塩の重さの計算か逆比だけで解いたほうが簡単かもね。

食塩水を同量の水と入れ替える例題

15%の食塩水400gからいくらかの食塩水をくみ出し、くみ出した食塩水と同じ重さの水を加えたところ、食塩水の濃さが12%になったとき、加えた水の重さは何gですか

最後にできた食塩水の重さがわからないと、食塩の重さは計算のしようがないし、てんびん図にしても重さの比例配分ができないなあ。
はるか

Haru_You
いやいや、できた食塩水の重さはわかってるよ。
だって、くみ出したのと同じ重さの水を加えているんだから、もとの重さに戻るだけじゃん。
12%の食塩水が400gできるんだから、あとは好きに解けばいいさ。

そっか、同じ量入れ替えるから、できた食塩水の重さはもとの食塩水と変わらないんだね。
だったら、食塩の重さがもとは400×0.15=60g、最後は400×0.12=48gで、食塩12gぶんの食塩水を捨てたって計算すればいいか。
はるか

Haru_You
てんびん図にして、0%の食塩水と15%の食塩水が12%になるとき、腕の長さが12:3だから、重さは逆比の①:④ってやってもいいね。
だけど、この問題にはまったく別の解き方もあるんだよ。
ちょっとやってみようか。

食塩水を同量の水と入れ替える例題の解き方

濃さが$\frac{4}{5}$だったら、もとの食塩水も$\frac{4}{5}$しか残ってないから、捨てたのは$\frac{1}{5}$ってこと?
はるか

Haru_You
うん、そういうこと。 同じ量の水と入れ替える問題、ってときに使えるテクニックだよ。
知ってれば一瞬で解けるからね。

たしかに、このほうが全然計算楽だね。
はるか

Haru_You
とはいえ、使い所の限定されるテクニックだから、まずは食塩量やてんびん図で求められるようにね。

食塩水を入れ替えて同じ濃さになる例題

4%の食塩水A150gと、13%の食塩水B300gがあり、それぞれの容器から同じ量をくみ出し、Aからくみ出したものはBへ、BからのものはAへ入れ替えて混ぜたところ、2つの食塩水の濃さは等しくなりました。このとき、Aからくみ出した食塩水は何gですか

これもくみ出した量がわからないし、最後に濃さが何%になったかもわからないからやっぱり計算しようがないけど・・・
はるか

Haru_You
最後にAとBの濃さが同じになってるから、そのときのAとBを全部混ぜても濃さは変わらないよね。
てことは、はじめから全部混ぜたときの濃さになるわけだ。

4%150gと13%300gを混ぜたら10%になるから・・・。
そっか、混ぜたあとのAとBは、どっちも10%になってるってことなんだね。
はるか

Haru_You
そうなんだけど、実は10%っていう最後の濃さを求める必要は全然ないんだよね、これ。

食塩水を入れ替えて同じ濃さになる例題の解き方

ほんとだ。
濃さの計算はまったくしていないね。
はるか

Haru_You
濃さを求めても、結局てんびん図にしてそれぞれの食塩水の重さの比を求めることになるだけだしね。

150gが10%になるようにAとBをまぜると、結局1:2になっちゃうってことか。
だったら濃さを考えなくても、全体の重さの比でいいじゃん、ってことね。
はるか

Haru_You
うん、同じ重さの食塩水を入れ替えたら濃さが等しくなるときは、全体の重さの比になるよう交換すればよいって覚えておくといいよ。

食塩水の練習問題 まとめ

・2つの食塩水を混ぜるときは「食塩の重さ」に注目!
 AとBを混ぜた濃さ=(Aの重さ×濃さ+Bの重さ×濃さ)÷(A+Bの重さ)

・食塩水をまぜるときは「てんびん図」が利用できる
 重さと腕の長さ(混ぜた食塩水ともとの食塩水の濃さの差)が逆比!

・食塩水に食塩を混ぜるときは「水の重さと水の濃さ」に注目!
 またはてんびん図で、食塩=100%の食塩水

・食塩水を等量の水と入れ替えるとき、薄くなった濃さの割合と入れ替えた水の割合は等しくなる!

・食塩水どうしを同じ量入れ替えて同じ濃さになるとき、容器の中で全体の重さと同じ比になるように入れ替えればよい!

食塩水の練習問題 演習プリント

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はるか
食塩水の練習問題
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はるか