都立中高一貫校の算数
都立中高一貫校の適性検査では、適性Ⅱの大問1つと、適性Ⅲを実施する学校では適性Ⅲの大半、もしくは富士中のように適性Ⅲすべてが算数的分野からの出題となります。
さらに、適性Ⅱの理科的・社会科的分野の大問内に割合計算の小問が入っていることが多く、結果として算数の占めるウェイトはかなり大きくなっています。
都立一貫校で出題される算数については、私立中受験で出題されるような「特殊算」はほとんど出題されません。
建前としては、「小学校の教科書内容からの出題」となっています。
とはいえ、和と差や場合の数など、私立受験算数の知識があると手早く処理できる問題もあったりしますので、私立受験算数の本当に基礎となる部分だけ、学習しておくとよいでしょう。
(それもあって、私立受験との併願者が圧倒的に有利だったりします・・・)
そこで今回はそのあたりをふまえた算数のおすすめ教材を紹介します。
適性検査で必要な「計算力」
適性検査では、いわゆる「計算問題」はまず出題されません。
ですので小数分数混合、逆算などの練習はほぼ不要です。
このため、塾教材の計算問題集はたいがいオーバーワークになって無駄な時間になります。
小学校の宿題で出されているドリル程度で十分でしょう。
適性検査では、理社分野内からも出題される割合計算に必要な、「桁数の多い割り算」が最優先課題です。
時間不足になる子は、たいていこれで時間を食いますし、計算するだけで得点できるのですからミスしたら命取りです。
じゃあ、割り算の練習を・・・となりますが、実は割り算が苦手な子に、「割り算の計算問題」をやらせても何の効果もありません。
割り算の筆算の中核は、かけ算と引き算を暗算することにあるのです。
商を立て、かけてから引くまでの一連の流れが遅い・不正確であると割り算が苦手になっていきます。
ですので、計算練習としてはドリルをのんびりやるより、時間を区切って暗算を繰り返させる形式が有効です。
エクセルが使えれば、適当に乱数振るだけで十分ですし、携帯の計算力アプリなんかもいいですね。
僕の作成したオンラインテストでも計算問題がありますのでご利用ください。
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あとは、規則性や比の問題で必要になる公倍数・公約数を手早く出せることも大事です。
そのために分数の計算練習をしておくのはありですね。
市販の問題集でお勧めとしては、桐杏学園の「計算練習800題」あたりでしょうか。
1回5分もあれば終わりますから、朝学習にもってこいです。
時間を計って記録する欄があるのもいいですね。
規則性と図形を徹底的に
適性Ⅱの算数分野で頻出なのが「規則性」と「図形」です。
といって、受験算数のように等差数列だの相似だの、というわけではありません。
初見でも簡単に解けるような、図形の敷き詰めやら立方体の転がりやらが主体です。
しかし、「初見でも簡単に解ける」からこそスピードと正確性で差がついてしまいます。
簡単だし解けるからいいや、ではなく、ここで時間を節約して、理社分野の記述に余力をつぎ込みましょう。
規則性と図形は類似の問題を解いた経験が非常にものをいいます。
この内容の問題を多数収録しているのが「公立中高一貫校適性検査対策問題集 数と図形編」です。
難易度は高めですが、一冊やりこむだけで十分力をつけられる問題集です。
その他単元ごとの問題を解いてみたい場合、僕の作成した適性検査型小問プリント集をご利用ください。
全国の中高一貫校で出題された適性検査を、小問1問ごとに解答・解説をつけてプリント化しています。
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私立併願者に負けないように
私立受験コースで勉強している子であれば、都立の適性検査算数はかなり簡単です。
小6前期まで私立コースで学習して、後期から公立コースの適性検査対策するだけで合格をさらっていく子が増えています。
かといって、都立専願者が私立向けの算数教材をみっちりやるのはお勧めできません。
無駄が多すぎます。
塾に通っている子なら、先生が新小問あたりで見繕ってくれるでしょうが・・・
あえて一冊、私立受験算数に手を出すなら、やはり「応用自在」でしょうか。
かなりレベルの高い教材ですが、市販の教材でこれに勝てるものはありません。
予習シリーズのように分冊になっていないのも利点です。
例題だけでも一通りやって、私立併願者の思考力レベルに対抗できるようにしましょう。
各単元で、理解が不十分なところがあったら、僕の「算数文章題講座」のページも活用してくださいね。
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