憂しと見し世ぞ今は恋しき

中学受験理科講座 ものの運動と振り子

運動の向きと速さ

等速直線運動

Haru_You
物体が動く、運動するときには、その動く速さと向きの変化に注目して運動の種類を分けるんだ。

どんくらい速いとか、どっち向きとか?
はるか

Haru_You
いや、考えるのは「速さが途中で変わるか」と「向きが途中で変わるか」だけでいいんだ。
というか、途中で速さも向きも変わらない運動のことを等速直線運動ということを覚えておけば十分だけどね。

速さも向きも変えずに動くものって、なに?
はるか

Haru_You
よく例としてあげるのはボウリングの球だけど。実際に物体が運動するときは、摩擦や空気の抵抗で速さが小さくなるから、等速直線運動するものは何ですか?という質問はまずしないんだ。この部分では速さを変えていませんって注意書きがあった上で、はじめて等速運動になるからね。
速さを変えないのが等速運動、向きを変えないのが直線道ね。
速さを変えずに、向きだけ変える運動ってある?
はるか

Haru_You
観覧車のゴンドラとか、動いている途中のメリーゴーランドを考えてみな。あれは一定の速さで、つねに向きが変わり続けているんだ。

ストロボ写真の見方

Haru_You
運動を観察するときは、一枚の写真のなかで一定時間ごとにシャッターをきって撮影するストロボ写真、ってのを使うことが多いんだ。ストロボ写真をみれば、等速運動かそうじゃないかがわかるんだよ。

どうやって見分けるの?
はるか

Haru_You
写真に写る物体の間隔が一定なら等速運動で、間隔が狭くなっていくものはだんだん遅くなる運動、間隔が広がるのがだんだん速くなる運動だよ。


速さを変える運動のほうは、右に向かって動いていると考えたらだんだん速くなってて、左向きだと考えたらだんだん遅くなってるね。
はるか

Haru_You
ストロボ写真では、1秒間に何回撮影したかにも注意すること。それによって物体の秒速を計算するからね。
たとえば図では、ボールの間隔が50cm、0.5mずつ空いてるけど、1秒間に10回撮影するなら秒速はその10倍、0.5×10=5(m/秒)だし、1秒間に30回撮影するなら0.5×30=15(m/秒)だね。

写っているボールの数じゃなくて、間隔のほうに注目すして計算するんだね。
はるか

斜面を転がる球の運動 

斜面を転がした球

Haru_You
斜面になった床を転がした球はだんだん速くなる運動をして、転がした先で床がなくなったら球が飛び出すのはわかるね。

スキーのジャンプ台みたいなやつだね。
はるか

Haru_You
じゃあ、斜面で手を離す位置を高くしたら、球の飛ぶ距離はどうなると思う?

たくさん転がればそれだけ速くなるから、勢いがついて遠くまで飛ぶんじゃない?
はるか

Haru_You
うん、正解。
斜面で手を離す位置を高くするほど遠くまで球が飛ぶんだけど、高さを4倍(2×2)、9倍(3×3)・・・にすると、球の飛ぶ距離は2倍、3倍・・・になるんだ。

斜面の角度と球の重さ

Haru_You
じゃあ、斜面の高さを変えずに、角度を急にしたらどうなると思う?

角度が急になればそれだけ勢いがつくよね。
だけど、進む時間が短くなるから加速する量は減るよね。
どうなるんだろう?
はるか

Haru_You
そうだね、角度を緩くすれば勢いは減るけど加速する時間は長くなるしね。
だから角度を変えても、高さが変わらなければ飛ぶ距離は変わらないんだ。
次に、球の重さを変えたらどうなると思う?

重い方が勢いがつきそうだけど飛びにくくなるよね、ということはやっぱり変わらない?
はるか

斜面を転がる球のしょうげき

ぶつけた木片の動く距離

[word_balloon id="2" position="L" size="M" balloon="talk" name_position="under_avatar" radius="true" avatar_border="false" avatar_shadow="false" balloon_shadow="true" avatar_hide="false" box_center="false"]次は、斜面を転がってきた球を木片にぶつける場合だ。
球の離す位置を高くしたり、球を重くしたりしたら木片が大きく動くのはわかるよね。


そりゃあたり前だよね。
球が速いほうが、重いほうがぶつかったら痛いに決まってるもん。
はるか

Haru_You
うん、あたり前と思ってくれればそれで大丈夫。
ちなみに、高さを2倍にすれば木片が2倍動くし、球の重さを2倍にしても木片は2倍動くからね。

振り子の運動

振り子の速さ

Haru_You
天井につるした糸におもりをつけた振り子は、速さも向きも変わる運動をするんだ。

振り子って同じ間隔で動いてるから、速さは一定なんじゃないの?
はるか

Haru_You
往復する時間で見たら一定だけど、手を離した点から反対側に進む間では速さが変わるんだよ。
だって、手を離してからつるした点の真下までは斜め下に進むから、だんだん加速するだろ。
で、その後は斜め上に進んでだんだん遅くなり、もっとも高い点まで到達したら動きが止まるじゃん。

なるほど。
たしかに、ブランコも真下に来たときが一番速く感じるもんね。
はるか

振り子の糸を切ったときの動き

Haru_You
振り子が動いているときに糸を切ると、おもりがどうなるか考えてみよう。

糸を切ったらおもりが下に落ちるんじゃないの?
はるか

Haru_You
おもりが静止しているとき、すなわち振り子の最高点で糸を切るとおもりは真下に落ちるね。
でも、振り子が動いているときは、それまで動いていた方向におもりが動き続けようとするんだよ。
これは絵を見て動き方を覚えておいて。


振り子の周期

振り子の長さと振幅

Haru_You
振り子では、「長さ」と「振幅(しんぷく)」という言葉を覚えておく必要があるんだ。

「長さ」ってひもの長さでしょ。
「振幅」は行って帰ってくる幅のことじゃない?
はるか

Haru_You
どっちも外れ。
ここは間違えやすいところだから気をつけてね。
まず、振り子の長さはひもの長さではなく、つるした支点からおもりの重心までの長さのことなんだ。
それから、振幅は端から端までじゃなくって、振り子の最高点から支点の真下までなんだ。

たしかに、ひもの長さが同じでもおもりが細長かったら振り子の長さが変わるもんね。
はるか

Haru_You
で、振り子についてはもう1つ大事な言葉があってね。
それが「振り子の周期」。
振り子が1往復する時間のことを、振り子の周期というんだ。

振り子の周期の変化

Haru_You
先に結論を言うと、振り子の周期を決めるのは振り子の長さだけなんだ。
振幅を大きくしたり、おもりを重くしたりしても振り子の周期は変わらない
これがすごい重要だからしっかり覚えておいてね。

さっきの転がる球の飛ぶ距離と似てるね。
それじゃあ、振り子って誰が作ってもひもの長ささえ同じなら行って帰ってくる時間が同じになるってこと?
はるか

Haru_You
うん、どんな振り子でも長さが決まれば周期は一定になるね。
覚える必要はないけど、長さ25cmの振り子の周期は1.0秒、長さ100cmの振り子の周期は2.0秒だね。

長さを4倍にしたら、周期が2倍になるってこと?
それもさっきの転がる球の飛ぶ距離と似てるね。
はるか

Haru_You
そうだね。
振り子の長さが4倍(2×2)、9倍(3×3)・・・になると、周期は2倍、3倍・・・になるんだ。

振り子の速さ・高さ・しょうげき

釘打ち振り子の周期

Haru_You
それから、振り子のおもりの速さについてだけど、これは当然振幅を大きくすれば速くなる。

振幅を大きくしても行って戻ってくる時間が変わらないんだもんね。
はるか

Haru_You
で、おもりが大きく、速く動くほど、おもりをぶつけたときのしょうげきも大きくなる。
当然、おもりを重くしてもだね。
最後に、振り子の支点の真下に釘を打った場合を考えるよ。

そしたら、釘に引っかかっちゃうよね。
でも釘より下にあるおもりは動くかな。
はるか

Haru_You
うん、必ず振り子のおもりは反対側も同じ高さまで上がるからね。
例えば、長さ100cmの振り子で支点の真下75cmのところに釘を打ったとすると、半分は100cmの振り子として動くけど、残り半分は(100−75=)25cmの振り子として動くんだよ。

じゃあ、その振り子の周期はどうなるの?
はるか

Haru_You
当然、半分ずつたせばいいんだよ。
100cmの振り子は周期2.0秒、25cmの振り子は周期1.0秒だから、(2.0+1.0)÷2=1.5秒になるね。