中学受験理科講座 地球と太陽(2)〜年周運動と日かげ曲線〜

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太陽の年周運動

地球の公転

Haru_You
Haru_You
地球は1年かけて太陽のまわりを1周=公転しているね。
廻る向きは覚えてる?

反時計まわりだっけ?
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
そうだね、地球・月の自転公転はすべて反時計回りだったね。
で、この公転のときに、地球は太陽に向けて垂直にならずに、傾いてまわっているんだ。

どれぐらい傾いてるの?
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
北極と南極からのばした回転の軸を地軸というんだけど、地軸は公転面(地球の公転する円周)に対して66.6°傾いているんだ。
公転面に垂直な線からみると、90-66.6=23.4°の傾きだね。

23.4って、回帰線の緯度だったよね。
はるか
はるか

公転と四季

Haru_You
Haru_You
地軸が傾いているから、太陽はいつも赤道の真上を通るのではなく南北に23.4°、回帰線の緯度まで動いて見えるんだ。
その地軸の傾きによる太陽の南北の動きが季節をつくるんだよ。
図を見て確認してね。
北半球側が太陽に近くなるように地軸が傾くと夏で、南半球側に太陽が近づくと冬ってことか。
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
うん、具体的には6月22日ごろの夏至で太陽が北回帰線の真上に来て、12月22日ごろの冬至で南回帰線の真上にくるんだ。
この図はほぼ必ずこの向きで出てくるから、太陽の左側にある地球は夏至、右側にあるのが冬至って覚えちゃうといいよ。

春分と秋分は?
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
公転の向きを考えればわかるけど、奥側が春分、手前側が秋分だね。

年周運動と黄道

今は地球が太陽の周りを公転していると考えるのはあたりまえだけど、昔の人は太陽が地球の周りを回っていると考えていたんだよね。
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
地球からみたら太陽が動いているように見えるからね。
その太陽の見かけ上の動きのことを年周運動というんだけど、公転とごっちゃにしないようにね。

地球が1周することが公転、太陽が動いて見えることが年周運動ってことね。
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
そうだね。昔の人は太陽が動いていると考えたから、黄道という太陽の通り道が宇宙空間にあると考えたんだ。で、その黄道は12個の星座を通るんだけど、それが星占いに使われているんだ。

でもさ、星占いの星座って季節合わなくない?
冬の星座のふたご座が6月にきたり、春の星座のしし座が8月にきたり。
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
太陽が通る道にある星座、だから夜中に見える星座じゃないんだよ。
むしろ昼に見えるってことだから、ちょうど季節が反対になっちゃうんだ。

季節と太陽

春分・秋分の日の太陽

Haru_You
Haru_You
太陽のあたり方が季節ごとに異なるとわかったところで、実際に季節ごとの太陽の南中高度について考えてみようか。

それっていつの南中高度でも、どこの南中高度でも計算できるの?
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
時期としては、春秋分の日と冬至夏至の日の南中高度を考えるね。
それ以外の時期は正確な値は出ないけど、たとえば10月の太陽なら秋分と当時の間、みたいに考えられるんだ。
また、場所については北半球か南半球か、ってことと、緯度さえわかれば計算できるんだよ。

地球は丸いから、緯度が同じなら南中高度も同じになるってことか。
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
そうだね。まずは春分と秋分の南中高度だけど、春分秋分は地軸の傾きが太陽と向かい合わないから、春秋分の太陽は赤道の真上を通るんだ。

すると赤道の真下では南中高度が90°になるってことかな。
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
うん、だから緯度が赤道からずれたぶんだけ、南中高度もずれるってことになるね。
そこで春分・秋分の日の太陽の南中高度は90−その土地の緯度、という式で計算できることになるわけだ。
たとえば、北緯36°の東京では、春秋分の日の太陽の南中高度は90−36=54°になるってことだね。

夏至の日の太陽

Haru_You
Haru_You
次に夏至の南中高度だけど、これはどうなると思う?

夏は地軸が傾いたぶんだけ、太陽が北半球側に来るんだっけ。
あ、だから夏のほうが太陽が高く上がるんだね。
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
うん、夏至の日には北緯23.4°の北回帰線上に太陽が来るんだ。
だから南中高度も北半球では春秋分より23.4°高くなって、夏至の日の太陽の南中高度は90−北緯+23.4という式で計算できるってことになるね。
北緯36度の東京なら、90−36+23.4=77.4°って計算だね。

南半球では逆に南中高度が低くなるから、23.4引けばいいってことかな。
はるか
はるか

冬至の日の太陽

Haru_You
Haru_You
最後に冬至の南中高度だけど、もう説明しなくてもわかるよね。

冬は地軸が傾いたぶんだけ、太陽が南半球側に行くんだから、夏至の逆になるってことだよね。
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
うん、冬至の日には南緯23.4°の南回帰線上に太陽が来て、北半球での冬至の日の太陽の南中高度は90−北緯−23.4で計算できるってことだ。

日かげ曲線と透明半球

日かげ曲線

Haru_You
Haru_You
太陽の動き方を観察するために行う実験が2つあってね。
まず1つ目が、地面に立てた棒の影を記録する「日かげ曲線」だ。

日かげ「曲線」っていうけど、太陽が作る影って直線にならない?
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
勘違いしやすいんだけど、日かげ曲線は1つの影じゃなくて、棒の影の先端の位置を時間ごとに記録して、あとでつないだものなんだ。
太陽が弧を描くように動くから、影の先端も曲線を描くんだよ。


ということは、影が長いか短いかで先端の位置も変わるから、季節ごとに日かげ曲線の場所が変わるってことか。
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
そうだね、太陽の高い夏至の日かげ曲線は棒の近く、冬至の日かげ曲線は棒から遠くになるんだよ。
また、日かげ曲線は影のある側が北で、影の先端の位置は西から東に進むのを間違えないようにね。

そっか、太陽は東から西に進むから影の先端は西から東なんだね。
はるか
はるか

透明半球による太陽の動きの記録

Haru_You
Haru_You
もう1つの実験方法が透明半球を利用するもので、地面に置いた透明半球にペンを当てて、ペンの先端の影が半球の中央にくるところで印をつける、という作業を時間ごとにおこなって、点をつなぐと太陽の見た目の動きが記録できるんだ。

空の上をこんなふうに動いて見える、ってイメージだね。
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
うん、だから透明半球上の線は、夏至の線は北よりの高い空を通り冬至の線は南寄りの低い空を通るんだ。
また、春秋分の日の出日の入りの位置は真東・真西からであることと、地平線と太陽が作る角度は、春秋分の南中高度と同じ90−北緯になっていることを覚えておいてね。

昼の長さと地温・気温の変化

季節による昼の長さの変化

Haru_You
Haru_You
今の透明半球に表されるように、季節によって太陽の高度が変わるから、太陽が地上から見える時間、すなわち昼と夜の長さも変わるんだよ。

太陽が高くまで上がれば昼が長く夜が短くなるし、太陽の高度が低いときは逆に昼が短く夜が長くなるってことね。
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
じゃあ、そのちょうど中間に位置するときはどうなると思う?

昼と夜の長さが同じになるってことかな?
あ、それが春分と秋分の日なんだね。
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
そうだね、春分と秋分の日は地球上のどこでも昼と夜が12時間ずつになるんだよ。
一方、夏至の日は北半球側に太陽がくるから、北にある地点、北緯が大きいほど、昼が長く夜が短くなるんだ。

じゃあ、赤道より北極のほうが昼が長くなるの?
なんかイメージわかないけど。
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
太陽が北半球側を通ることで、北緯66.6°以上の北極圏では、白夜といって夏至の日は太陽が沈まなくなるんだよ。
そして冬至の北極では太陽が一度も上らず、一日中夜になるんだ。
この各緯度での太陽の動きは次の項で詳しく説明するよ。

一年の地温・気温の変化

Haru_You
Haru_You
季節によって太陽の当たる時間の長さが変わるということは、気温や地温もそれにつれて変化するということになるわけだね。

1日の間では、気温が上がる前に地温があがるんだったよね。
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
そうだね、太陽の光(熱)は空気を直接あたためない放射熱だから、太陽が最も高く上がり、その光と熱が最も強くなったあと、地温が上がってその地熱が空気をあたためるんだ。

北半球だと、太陽が高く上がるのは夏至、6月だよね。
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
うん、だから北半球で地温が最高になるのは7月、気温が最高になるのは8月ってことになるんだ。

たしかに、一番暑くなるのは8月だもんね。
そしたら冬至の12月から、地温低いの1月ときて2月が一番寒くなるわけだね。
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
一日のときにも同じようなグラフがあったけど、3本のグラフからどれが南中高度、地温、気温か見分けられるようにね。

地球各地の太陽の動き

北極の太陽の動き

Haru_You
Haru_You
さっき、北極では夏至に太陽が沈まないって話をしたけど、北緯90度の北極点では、夏の間(春分~夏至~秋分まで)太陽がずっと沈まないんだよ。
このとき、どのように太陽が動くかわかるかい?

ずっと沈まないってことは動かない・・・わけじゃないよね。
地球は自転してるんだし。
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
図のように、北極点では太陽は地平線と水平に動くんだよ。
春秋分には地平線の上を回り、夏至には23.4°の高さで一周するんだ。

そしたら、秋分から冬を経て春分までの間は、地平線の下で太陽が回っているから日が昇らないってことだよね。
はるか
はるか

赤道上の太陽の動き

Haru_You
Haru_You
次に赤道上での太陽の動きだけど、これも特徴ある動き方になるんだ。

春分、秋分には太陽は赤道の真上を通るんだったよね。
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
うん、だから赤道上では地平線と垂直に太陽が昇るんだよ。
春秋分は真東・真西からで、夏至や冬至にはそれぞれ南北に23.4°ずれたところから、垂直に出入りするんだ。

南半球の太陽の動き

Haru_You
Haru_You
最後に南半球での太陽の動きだけど、北半球とは逆に考える必要があるのはわかるよね。

南半球からみたら赤道は北にあるから、北の空を太陽が動くってこと?
はるか
はるか

Haru_You
Haru_You
うん、南半球の太陽は東の地平線から昇り、北の空に北中し、西の地平線に沈むんだ。
夏至で最も低く、冬至で最も高く北中し、北中高度は90−南緯から計算すればいいってことになるね。

地球と太陽(2) 演習問題プリント

演習プリントには、Excelファイル版とPDFファイル版があります。
Excelファイル版はリロード・再計算(F8)するたびに数字や配列が変わります。
マクロは使用していませんので、セキュリティ警告はありません。
なお、PDF版では20問の収録ですが、Excel版にはより多くの問題を収録しています。
はるか
はるか


地球と太陽(2)演習問題
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はるか
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Posted by haruyou