こんな中学校は要注意?危険な中高一貫校
1年で10人も退学者の出る私立中
先日、中学受験で指導し私立中学校へ進学して1年が経った教え子から、成績表を見せてもらう機会がありました。
思わず、目を疑いました。
成績が悪かったからではありませんw
1学期中間のときの学年生徒数と比べ、学年末での生徒数が10人減っていたからです。
むろん、思春期の子どもたちですから人間関係の悩みなどで学校に通えなくなることもあるでしょう。
病気や家庭の事情、いろいろあるかもしれません。
ですが、100万近い納入金を払い期待に胸ふくらませて入学した私立中を1年経たずに退学する子が何人もいる、ただ事ではありません。
さらに、退学はしていないけど不登校になっている子も各クラスに数名いるとやら・・・。
実を言うと、その学校がそういう体質なのは前々から知っていたので、個人的にはあまり生徒父兄に勧めない学校でした。
その子はその学校にある部活がやりたくて第一志望で進学した子なので、不登校になる心配もないのですが、滑り止めで進学した子などは合わないと辛いでしょうね。
塾としての付き合いや立場もあってどこの学校か公言はできませんが、他にも中退者や不登校を出しやすい学校はいくつか知っています。
そんな要注意な学校を見分けるデータの読み方を少し紹介します。
入学時人数と進級人数の乖離
まさに上のような事例を証明するデータがこれ、入学時人数と進級人数です。
が、そんなデータを学校が出してくれるわけはありませんし、説明会でそんなこと聞いたら学校から嫌われます。
なので、直接聞かずに「ここ3年間の入学者数」と「各学年の在籍生徒数(もしくは生徒数合計)」という2つのデータを組み合わせましょう。
ただ、学校に合わなかった生徒を早めに外に出すからといって「冷たい学校」なわけではありません。
むしろ、親切心から早めに退学させてるといってもいいくらいです。
高校進学前の「肩たたき」
上のデータが悪化することを嫌って成績不振でも不登校でもなんだかんだ言って退学させない学校もあります。
そして、中3の1学期になって3者面談で「卒業はさせるけど、このまま高校に進んでも進級できないよ」と言ってきます。
成績不振なだけでその学校が好きなのであれば、そこから努力してなんとか持ち直すこともできるのですが、学校を出て高校受験しよう、となると大変です。
中高一貫校の授業は高校受験に即していないカリキュラムですし、そんな状況ではまともな内申もつきません。
どうせ高校受験するなら、早めに退学して準備したほうがマシですね。
トップ層のみに手厚い学校
このような事態を招きやすい学校は、下の方の生徒を育てるよりもトップ層の生徒を育てることに重点を置いている学校です。
入学時の偏差値帯に見合わないハイレベルな授業を押しつけて、ついて来られた生徒だけ実績を上げてくれればそれでいい、ということです。
むろん、ついてこられない生徒を見捨てるわけではなく補習やフォローの体制は組んでいますが。
そんなことを公言する学校はありませんが、そういう学校の方向性が見え隠れするデータがいくつかあります。
高校部で特進クラス・特待生募集
これをやっているということは、中学での欠員がいくらでも補充できるということです。
さらに、中学偏差値がほぼボーダーフリーなのに高校の特進クラス偏差値/推薦基準が高い、なんて学校は要注意です。
中学3年間を自校で過ごした生徒より、都立上位高落ちで高校から入学する生徒のほうが優秀だって言ってるようなものですね。
さらに、その高校募集で特待をたくさんつける学校があります。
経済的な理由で特待がないと困る生徒もいますので必要な制度ではあるのですが・・・。
中学部から通っている生徒がいるのに、わざわざ特待をつけてまで外から優秀な生徒を欲しがるというのはどうしてでしょうかね。
宣伝している合格実績の1ランク下が手薄
どこの高校もレベルに応じて大学合格実績を国立○○名!とかMARCH○○名!とか宣伝しています。
が、宣伝に出す数字は一番見栄えが良い数字です。
たとえば卒業生160名で早慶40名、なんて数字を出していたとします。
そこだけ切り取ると良さそうに見えますが、その下のMARCHがどうなっているか、そこに注目してください。
MARCHが卒業生数の半分程度しか出ていないのであれば、上位の子しか結果を残せていないということです。
宣伝している合格実績のワンランク下のライン、ここが注目ポイントになります。
また、「早慶上理」とか「GMARCH」のくくりだけ出して個別データを奥の方のPDFに隠しているところもよく見ましょう。
実は半分以上理科大と法政、なんていう詐欺みたいな数字の出し方だったりします。
「難関理系大」なんて書き方でしれっと工学院や電機大混ぜてたり・・・
まあ、これは塾の宣伝でもよく使うんですけどねw
総合格者数のなかでボーダーフリーの大学がどの程度混ざっているかも見ておきましょう。
一貫校に6年も通わせて、その程度の大学・・・?ということです。
まとめ
もちろん、上記のような学校がダメというわけではありません。
「上位の子には手厚い」のがメリットとなることも多々あります。
ですが、第2志望以下で受験校を選定するとき、「近いから」「受かりやすいから」みたいに熟慮せずに選んでしまい、入学後に「こんなはずじゃ・・・」とならないように学校の方向性をよく見ておくことが必要です。
とりあえず、中高一貫校の情報が欲しい方にはSAPIXの中学受験ガイドがオススメですね。
もちろん、本には載らない情報なんかもありますんで聞いてくれれば知ってる限り答えます。
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